宝塚歌劇団 星組
政界コメディ『記憶にございません!ートップ・シークレットー』
カルナバル・ファンタジア『Tiara Azul -Destino-』
『記憶にございません!』は三谷幸喜氏脚本・監督の大ヒット映画を宝塚が舞台化した作品。史上最悪のダメ総理が記憶を失い、数々の騒動を巻き起こしながら、誠実な政治家に生まれ変わろうとするお話です。
映画のイメージが強い本作ですが、舞台ならではの演出を取り入れながら宝塚らしい“愛”を感じられるミュージカルに仕上がっていて、私の「タイプ」でした。特に、総理官邸にある赤いカーペットが敷かれた階段を宝塚の大階段で表現したのはお見事。政治家たちが献金マンボ♪と歌いながら大階段や銀橋で踊り狂ってるのが面白く、笑いを抑えられませんでした。
ちなみに、『記憶にございません!』の英題は、『Hit Me Anyone One More Time』。
ファンの方によると、ブリトニー・スピアーズの『…Baby One More Time』の歌詞の一部、「hit me baby one more time」を元にしているようです。
『Tiara Azul』はアルゼンチンのカルナバルを舞台にしたレビュー作品。タイトルのTiara Azulはスペイン語で「青色のティアラ」という意味で、作中に登場するパフォーマンスチームの名前です。ダンサーたちが激しく、熱く、華麗に踊る中で、Luca(=光を運ぶ者)とEliana(=太陽の娘)の恋模様が描かれます。作・演出の竹田悠一郎先生は、本作が大劇場デビュー。新鮮味がありながら星組らしいエネルギッシュなショーで、最後まで目を離せませんでした。
見どころの1つは、ミュージカル映画『トゥモロー・モーニング』の監督を務めたニック・ウィンストンが振付家として参加していること。今年はミュージカル『Burlesque』の演出・振付で注目を集めていたので、参加すると知った時は驚きました。いつもの宝塚とはまた違う、鮮やかで活気に満ちたシーンが展開されています。
個人的に好きだったのはフィナーレの男役群舞。 男役さんたちがロックナンバーにのせて力強く、大胆に踊る姿にしびれました。 暁千星さんによるElianaへの想いを爆発させるダンスも、セクシーでドキドキしました。踊ってる時のありちゃんってどうしてあんなに輝いているんでしょうね。
また、本作は星組トップ娘役である舞空瞳ちゃんのサヨナラ公演でもあります。歌・ダンス・芝居の3拍子がそろった役者さんで、最後まで客席を魅了していました。特にデュエットダンスのなこちゃんは愛らしく、優雅で、本物のお姫様のようでした。
今回は久々に母と2人で観劇。小さい頃から2人でよく宝塚を見に行っていたので(おかげで子供時代は家にある大量のプログラムを読み漁りながら過ごしました笑)、懐かしい気持ちになりました。また2人で観劇できるようお互いに健康管理に気を付けます。